2023/05/01 16:41

こんにちは、クワガタ好きの皆さん。今回は、2023年春におけるババオウゴンオニクワガタの繁殖について、詳しくご紹介します。現時点(2023/4/23)では卵の割り出しまでできていますが、孵化まで確認が取れていませんので後日更新します。

ペアリング

まずは、今回使用したオスとメスの個体についてお話ししましょう。両個体は、ヤフオクを通じて2022年11月に入手しました。当時、メスはペアリング可能な状態であり、オスも成熟の兆しを見せていましたが、食欲が不十分であったため、ペアリングに不安を感じていました。しかし、2023年3月には食欲旺盛になり十分な成熟を迎え、ペアリングを開始しました。オスをメスの上にそっと乗せ、ハンドペアリングで交尾を果たしました。十分成熟していることもあり10分もしないうちに交尾を行いました。交尾時間は数分ほどでした。

★今回使用の個体について

♂:73.5mm / 2022年9月24日羽化

♀:49.4mm / 2022年8月6日羽化

ババオウゴンオニクワガタ
ペアリング

 

産卵セット

産卵に使用したのは植菌レイシ材でした。ババオウゴンオニクワガタの産卵木には、植菌レイシ材、植菌カワラ材、またはボトルに詰めたカワラ菌糸が使用されます。ただし、オオクワガタで使用されるようなコナラやクヌギのような産卵木には、ババオウゴンオニクワガタは卵を産みません。また、前準備としてレイシ材の状態を事前に確認します。確認方法は、キリのような先端が鋭いものでレイシ材を刺してみて、柔らかさを確認します。もし、スーッとキリが入らない場合、材が柔らかくなるまで常温放置します。今回使用の材は購入時、材が固めだったため、4か月ほど放置しました。以前、固いレイシ材をタランドゥスの産卵セットに使用して、まったく卵が取れずに失敗したことがあり、それ以降は材が柔らかくなるまで待ってから使用するようにしています。

植菌レイシ材

まず、レイシ材の皮をすべて剥がします。他の方法としては周りの材の皮は残したままで行う方法もありますが、レイシ材の菌の強さを確認したいため表面の皮をすべて剥がしました。材の表面が白くなる場合、菌の状態が強いため材の中の卵が菌にまかれる可能性があります。その場合、早めの割り出しを行います。また、レイシ材は幼虫の餌にはなりにくいため、いずれにしても早めの割り出しが必要と考えています。また、メスが材を掘りやすくするため、あらかじめ材に穴を空ける方法もありますが私の場合、特に穴を空けずに行います。その理由ですが、穴を空けると産む気もないメスが穴を掘り始めることがあり、材を無駄にする可能性があるからです。産卵セットとしては、材を固定するため針葉樹のペレットを敷いて、その上に材を置きます。また、針葉樹のペレットでなくても材を固定できれば他のマットでも良いです。そして、念のため、周りにゼリーを数個置きメスを投入して産卵セットの完成です。

材固定用の針葉樹ペレット
産卵セットに投入

材割り

メスを産卵セットに投入して数日で材に穴を空けて産卵を開始しました。材に穴を空ける前は必至でゼリーを食べていました。おそらく、産卵の準備のため栄養補給をしていたと思います。その後、数日で何事もなかった感じで外に出てきました。ババオウゴンオニクワガタは産卵が終わったら外に出てくることがあるため、そのタイミングでメスを回収します。

材に穴を空ける
産卵を終えて外に出てきた♀

その後、卵が菌に巻かれたり、カビの影響を受ける前に早めに材割りを行います。ババオウゴンオニクワガタの卵は粉々にした材とベースの材の間に卵を産みます。慎重に粉々の材を慎重に取り除いて卵を見つけていきました。今回は順調に卵を10個ほど回収することができました。

回収した卵は、プリンカップに入れた完熟マットにそっと埋めて管理します。一か月後に羽化して幼虫が見えるといいのですが。。。また、5月か6月に状況を更新したいと思います。あと、羽化したことを想定してカワラ菌糸を入れたプリンカップを準備して、いつでも幼虫を収容できる環境づくりを進めています。

卵取れました
完熟マット(卵の上にマットかけます)
カワラ菌糸 プリンカップ

ババオウゴンオニクワガタの産卵セットは、植菌レイシ材を使用し、針葉樹のペレットで材を固定する方法を採用しました。また、材割りでは、慎重に材を取り扱い、卵を探し出しました。これらの方法は、ババオウゴンオニクワガタの繁殖において重要なポイントとなります。今後も、ババオウゴンオニクワガタの繁殖について、詳しく紹介していく予定です。お楽しみに!