2023/04/23 17:17

カブトムシの一生

カブトムシの寿命は意外に短く、成虫の期間はわずか1〜3ヶ月、幼虫の期間は約8ヶ月です。私たちの家では、約1年間で卵から幼虫へ、蛹から成虫へと変化します。個体差はありますが、成虫になったメスは産卵して命を終えます。オスも同じくらいの時期に寿命を迎えます。この章では、カブトムシの生涯について、私たちの家での経験も交えてご紹介します。

カブトムシの一生
  1. 卵から幼虫へ
    メスがどれくらい卵を産むかについては諸説ありますが、1匹のメスは約100個の卵を産むことができるそうです。1日に2〜3個の卵を1ヶ月間産み続けると、計算上は100個程度の卵を産んでいることになります。また、卵を産んだメスは寿命が短くなります。力を使い果たしてしまうのでしょうか。まさに自然の摂理を感じさせるものがあります。

卵は約2〜5mmの大きさで、白色です。これだけたくさんの卵が産まれることから、自然界で生き残れないものも相当数いることが考えられます。

  1. 幼虫から蛹へ
    幼虫の主食は腐葉土で、成虫になるまでに一匹あたり3〜5リットルほど食べます。幼虫は初令、二令、三令と分かれ、脱皮を繰り返しながら成長します。幼虫の期間は以下の通りです。

初令:約1週間
二令:約3週間
三令:蛹になるまでの約7ヶ月
三令幼虫に成長すると、オスは30〜40g、メスは20〜30gほどになります。幼虫は乳白色で、いわゆる芋虫のような形をしています。幼虫はよく体を丸める様子があり、透明なケースで飼育すると、土の中を移動している様子が観察できて楽しいです。カブトムシなどの昆虫の成長段階でよく使われる言葉が「令」ですが、私はそれを人間の年齢に例えて覚えることにしました。つまり、私たちは年齢を「年」と数え、「年令」と書かれることもありますので、昆虫の場合は成長の過程を一令、二令と数えることを覚えました。

  1. 蛹から成虫へ
    梅雨の時期に幼虫は蛹になります。土の中で蛹に変わり、成虫になるまでじっと動かずに過ごします。梅雨から夏にかけて気温が上がると、カブトムシは土の中で羽化し、ついに地上に姿を現します。卵から成虫になるまでの期間はおおよそ10ヶ月です。妻はカブトムシの成長過程を人間の赤ちゃんに例えていましたが、成虫になるまでの期間や土の中で育つ様子を考慮すると、確かに共通点があるように感じます。
  2. 成虫から次の世代へ
    成虫になるとすぐにカブトムシは活発に活動を始めます。夜行性であるため、日が沈むと餌のゼリーを食べたり、羽を広げて飛び立とうとしたりします。

繁殖時期がくると、オスとメスが交尾し、メスは卵を産みます。我が家では複数のカブトムシを飼育しているので、時期が来るとオスとメスを選んで同じ飼育ケースに入れて一緒に暮らさせます。交尾が終わった後は、オスとメスを別々のケースに入れ替え、メスが安心して卵を産める環境を整えてあげます。

以上が、カブトムシの一生の流れです。我が家での飼育経験を通じて、カブトムシの生態や成長過程を学ぶことができました。カブトムシの観察は楽しく、自然界の摂理を感じることができる素晴らしい経験です。飼育を通じて、子どもたちにも自然や生き物への関心を持ってもらえることを願っています。カブトムシは日本の夏の風物詩としても親しまれており、世代を超えて楽しまれています。飼育には、適切な環境整備や餌の管理が大切ですが、それ以上に大切なのは、カブトムシや他の生き物に対する愛情と敬意です。彼らが短い一生を全うできるよう、手間暇かけて丁寧にケアし、彼らの成長を見守りましょう。

最後に、カブトムシ飼育を始める際に役立ついくつかのポイントをご紹介します。飼育ケースは通気性が良く、十分なスペースがあるものを選びましょう。腐葉土は適度な湿り気があることが重要です。乾燥や湿気が過ぎると、幼虫の成長に悪影響を与えます。餌は市販のゼリーなどを用意しましょう。与えすぎに注意し、カブトムシが食べきれる量を確認しながら与えてください。カブトムシの様子をこまめにチェックし、異変があればすぐに対処しましょう。
カブトムシ飼育は、自然や生命の大切さを実感できる貴重な体験です。ぜひ挑戦してみてください。